ガラとチョク
焼酎をおいしく飲む杯(さかずき)として伝統的なものに「ガラ」と「チョク」があります。
「ガラ」はカラカラのルーツを汲む、熊本球磨地方の伝統酒器です。
磁器で作られた酒器なので直火にかけられます。
フラスコの胴に注口を付けたような形をしていて、以前は度の強い焼酎をそのまま「ガラ」に注ぎ温めて飲んでいたものです。
「チョク」はその形がイノシシの口に似ていることから猪口(チョク)が語源であるとされています。
球磨地方の古い習慣で、焼酎を飲み始めるとき、最初の一杯は決してそのまま口に持っていかず、座っている場所のどこか適当な所に、必ず一滴だけを落としてから口にするそうです。
これは先づ神様に捧げてから御神酒を頂くという信仰から発したものと言われています。